女子大生の掃き溜め

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映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」 *ネタバレあり

【わたしは、ダニエル・ブレイク】

 

この作品、文部科学省特別選定作品だそうです。笑

国家権力に対しての怒りが描かれる作品だけに意外ですね。

 

 

www.youtube.com

 

では以下ネタバレ注意です!

 

(内容)

主人公は、心臓を患った大工のダニエル・ブレイク

医者からは仕事を続ける事を禁じられた彼は、国からの支援を求める。

しかし、その結果は就労可能であると判断され、不可

不服申し立ての制度も複雑であり、役所はダニエルの言葉に耳も貸さない。

そんな中、役所でシングルマザーのケイティと子供達に会う。

ロンドンで大家から強制退去させられ、この田舎町にたどり着いたのだという。

お互いに切羽詰まった状況にある彼らは、助け合いながら生活をしていく。

 

 

最後、ようやく自分の言い分が役所へ通るという直前に、ダニエルは心臓発作を起こし、亡くなってしまう。

そのとき、彼が伝えたかった言葉が、ケイティによって読み上げられます。

 

 私は、お客様や、顧客や、サービスユーザーではない。

怠け者でも、タカリ屋でもない。乞食でも、泥棒でもない。

国民保険番号でもなく、もちろんパソコンのエラー音でもない。

今まで、きちんと税金を納めてきたし、それが誇りだ。

身分の高いものには媚びないが、隣人は助ける。

私は、ダニエルブレイク。人間である。犬ではない。

一人の市民だ。それ以上でも、以下でもない。

 

 

(感想)

舞台はイギリスです。

イギリスというと「ゆりかごから墓場まで」という言葉を社会で習いましたから、

手厚い社会保障があるイメージだったのですが…

どうやら、保守党による緊縮政策が行われ、庶民の生活はすごく苦しくなっているようです。

 

私としては、あまり「なんで国はこうなんだよ!!!怒」みたいな感想は持ちませんでした。

お役所の高圧的な態度に不愉快になる人も分かります。

しかし、劇中でダニエルにマニュアル以上に丁寧にしていたアンという職員は上司に注意されていました。

役所も、大量に押し寄せる人々を効率的に処理することは必要なのでしょう。

前例を作られては困る」、上司が言った言葉です。

これを冷たい、血の通っていない、と非難するのは簡単ですが…

しかし、そうせざるを得ない状況、そうするのが当然だと考える背景があるのではないでしょうか。

マクドナルドで、職業体験したことがあるのですが、氷の量やらポテトの量が細かく決められていました。(当然か)

あるとき、ポテトを多めによそってしまった私に対して、社員の方から一言。

「今はよくとも、次に来た時にクレームに繋がるから、多めにしてはいけないんだよ」

多くの人を、効率的に、捌いていくというのは、そういう事なのだと実感した一言でした。

 

アンのように、他人に優しくする事、血の通った事を行うのはもちろん素晴らしい事です。

でも、それを行わない現場の人間を短絡的に非難するのは、第三者の私たちがやるべきことではないはずだと思います。

ダニエルは、当事者だから、怒るのは当然でしょう。

幸いにも第三者である私が、冷静になる事ができる部分、冷静になるべき部分があると思います。

 

私の感想と最も一致したのは、以下の公式サイトにある、湯浅誠さんという方のコメントです。

danielblake.jp

ムダの削減と効率化を求めて、私たちは丁重な排除へと行き着いた。

「仕方ない。じゃあどうしろって言うのか」と、

誰も叫ばないが、全員が叫んでいる。

出口はある、とケン・ローチは指し示す。

あとは私たちがそれを信じられるかどうかだ。

 

湯浅誠

 

 

ムダの削減と効率化は、もちろん必要な事です。

そこにいちいち感情を入れることは、非効率的であり、ムダでしょう。

もしかしたら、危険でもあるかもしれません。

 

多くの人を、よりスムーズに救う(ために捌く)には、効率的な方がいい。

しかし、効率化を推し進めれば、そこから排除される人々が現れる。

 

「どうするのが正解なのか、全員が叫んでいる。」

この全員は、労働者や庶民だけではないのでしょう。

為政者も、(きっと)大変なのだと思います。

 

ケン・ローチが指す出口とは、『助け合い』でしょうか?

私には分かりませんでしたが、なんとなく…

 

 

今回の映画を見た方や、イギリスの現在に詳しい方はぜひご意見を伺えると嬉しいです。

 

最後に、下の記事はすごく分かりやすかったので載せておきますね。

news.yahoo.co.jp

 

最後まで読んで下さりありがとうございました。